農林水産祭参加　全畜連肉用牛枝肉共進会（第一部黒毛和種雌牛の部）開催

第65回農林水産祭参加行事である令和7年度第54回全畜連肉用牛枝肉共進会第一部黒毛和種雌牛の部を、10月20日に東京都中央卸売市場食肉市場にて開催いたしました。
全国各地の会員等から申し込みのあった250頭の候補牛から50頭が選抜されました。肥育産地の内訳は、出品頭数の多い順に北海道から9頭、茨城県・鹿児島県は各7頭、宮城県からは6頭、青森県・栃木県からは4頭、岩手県・島根県からは各3頭、鳥取県・沖縄県からは各2頭、山形県、千葉県、宮崎県からは各1頭でした。北海道から南は沖縄県まで全国各地からの出品牛が揃い、出品者も日頃から優秀な肥育成績を挙げられており、この共進会意気込みが窺えました。
10 月16日の搬入時における到着時体重の平均は730kgで全体的に肉付きが良い肉牛が揃いました。除角の有無を確認しましたところ19頭が除角されておりました。10月20日に上場された出品牛の枝肉の全体成績は、平均枝肉重量503kg、BMS10.8、ロース芯面積83㎠、バラの厚さ8.8㎠、歩留基準値77.3と充分に肥育が進み、5等級48頭、4等級が2頭で4・5等級率が100％と非常に素晴らしい成績となりました。
開会にあたり本会露﨑専務が「平素より、本会の集荷・販売業務に特段のご理解ご協力を賜りますこと、この場をお借りして厚く御礼申し上げます。また、開催に当たりご協力いただきました全国各地の生産者の方々はじめ関係者の皆様のご協力と本日の褒賞授与式につきまして来賓として業務ご多忙の中、農林水産省をはじめ関係機関
の皆様のご出席を賜りましたこと重ねて御礼申し上げます。今回の共進会につきましては出品頭数50 頭での開催となりました。昨年までは45頭での開催でありましたが、回を重ねる度に出品者のご尽力により非常に高いレベルの共進会になり、共進会の目的である肥育技術の向上と相互研鑽に賛同する会員生産者からの出品希望が多く増頭いたしました。今回は平均枝肉重量と売上金額が過去最高となりました。増頭に当たりご協力いただきました農林水産省並びに東京食肉市場株式会社の皆様には改めて御礼申し上げます。厳しい畜産情勢の続く中、経営安定のために本会職員も一丸となり努力してまいりますので引き続きよろしくお願いいたします。」と挨拶しました。
枝肉の審査は、一般社団法人 全国肉用牛振興基金協会及び公益社団法人 日本食肉格付協会、東京食肉市場株式会社、購買者2社を含めた6名の審査委員により入賞牛の選定を行いました。審査の結果、最優秀賞に選出されましたのは、岩手県の岩手ふるさと農業協同組合後藤利明氏の出品牛で、肉質等級A5、BMS№12、生後月齢 32.8 ヶ月、到着時体重 628kg、枝肉重量 443kg、ロース芯面積 78 ㎠、バラの厚さ8.5cm、歩留基準値75.8でモモ抜け・肉色・光沢が良く細かいサシが満遍なく入り、抜群の脂質で最優秀賞に相応しい出品牛として選出されました。

続いて、優秀賞１席に選出されましたのは、北海道の迫田和男氏の出品牛で、肉質等級A5、BMS№12、生後月齢 32.3 ヶ月、到着時体重719kg、枝肉重量 487kg、ロース芯面積74㎠、バラの厚さ9.0cm、歩留基準値67.7でロース芯大きく、きめ細かく滑らかな脂肪質で、色沢の良いバランスの取れた牛でした。
続いて、優秀賞2席に選出されましたのは、岩手県の株式会社岩手パイオニア牧場の出品牛で、肉質等級A5、BMS№12、生後月齢 30.4ヶ月、到着時体重631kg、枝肉重量445kg、ロース芯面積69㎠、バラの厚さ8.9cm、歩留基準値70.5で肉質は最優秀賞にも劣らないものでした。
岩手県の後藤利明氏は最優秀賞の受賞挨拶として「本日は最優秀賞という素敵な賞をいただき誠にありがとうございました。以前、父の名前で出品していた際に一度頂いたこともございますが自分の名前で再び最優秀賞をいただけたことは感慨深いものがございます。生産者であり農協職員でもあるという二つの立場からジレンマもございましたが、家族の支えもありここまで続けて来られたこと、結果を残せたことを大変うれしく思います。また、昨年7月に岩手ふるさと農業協同組合では「前沢牛」と「奥州牛」を「前沢牛」に1本化し岩手県の畜産のさらなる発展と向上を目指してまいりました。本日、「前沢牛」として素晴らしい賞をいただきブランドのアピールにも貢献できたかと思います。厳しい情勢ではございますが、零細農家も続けていけるような畜産が儲かる世界を目指し尽力して参りたいと思います。来年度も健康に気を付けながら出品したいと思います。本日は誠にありがとうございました。」と申しておりました。
今年度の褒賞式も会員・出品者をはじめ農林水産省並びに関係者の皆様方に多数ご出席をいただき、関係各位のご協力の下、盛会裏に終了することができましたこと御礼申し上げます。